人の本

「楽園への疾走」(J・G・バラード)

楽園への疾走 (創元SF文庫)作者: J.G.バラード,J.G. Ballard,増田まもる出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2009/03/31メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 25回この商品を含むブログ (23件) を見る訳者の増田まもる氏からご恵贈いただきました。多謝。 えー…

「ハーモニー」(伊藤計劃)

18日発売だそうです。 http://d.hatena.ne.jp/Projectitoh/20081208#p1 「一緒に死のう、この世界に抵抗するために――」 御冷ミァハは言い、みっつの白い錠剤を差し出した。21世紀後半、〈大災禍〉と呼ばれる世界的な混乱を経て、人類は医療経済を核にした福…

「エンジン・サマー」(ジョン・クロウリー)

エンジン・サマー (扶桑社ミステリー)作者: ジョンクロウリー,John Crowley,大森望出版社/メーカー: 扶桑社発売日: 2008/11メディア: 文庫購入: 37人 クリック: 234回この商品を含むブログ (103件) を見る待望久し……。飛は最初の翻訳本を所有していますが、…

「世界のSFがやって来た!!―ニッポンコン・ファイル2007」(日本SF作家クラブ)

出回っている絶対量は少ないと思いますが、ご紹介しておきます。 昨年のワールドコンのレポート、といっても実行委員会によるオフィシャルなものではなく、日本SF作家クラブが主催した企画の報告が中心です。執筆者はそれぞれの企画の主、というわけで作家…

「ミノタウロス」(佐藤亜紀)

ふと思い立って、読了。こういう作品について何とかかんとかわかったような顔で述べるのは無理。なんとか呑みくだしたけどとうてい消化できず、いつまでも胃の腑の底で意地悪い(そうして倫理的な)蛙のように息づいていくと思います。そんな、一箇の生命。 …

「よつばと! 8 (電撃コミックス)」(あずまきよひこ)

あいかわらずの面白さでたいへん満足しました。 「よつばと!」の大きな魅力のひとつが緻密に書き込まれた背景にあることはいうまでもありませんが、今回はそれが極まった感があります。映画で人物がいない風景が雄弁に物語ることがありますけれども、その域…

「サイエンス・イマジネーション 科学とSFの最前線、そして未来へ」(瀬名秀明・小松左京ほか)

Amazonで予約できるようになりました。 内容紹介 第65回世界SF大会/第46回日本SF大会「Nippn 2007年」でのシンポジウム「サイエンスとサイエンスフィクションの最前線、そして未来へ!」において、第一線のロボット、人工知能、脳科学者による発表と問いかけ…

「火星のコッペリア」(山田正紀)

answer songsもこれで小説は最後。(まだ小松左京氏のエッセイがありますが!) Nippon2007の瀬名企画においでになった方であれば、山田正紀氏がシンポジウムのあいだ、ある概念にこだわりつづけておられた姿をご記憶でしょう。 まさにその強迫観念がそのま…

「笑う闇」(堀晃)

「answer songs」第四弾が配信中。 待望の堀晃氏登場。これも役得で、事前に読了していました。 ワールドコン瀬名企画のロボティクスのトピックから発想されたお話しのように見えて、実はポイントはそこだけではなく……。 これ以上は口にチャック。

「鶫と鷚(ひばり)」(瀬名秀明)

「answer songs」第三弾が配信中。 トルネードベースの瀬名インタビュー後編で述べられているとおり、郵便飛行機の航路が開発されていた頃の実在の人物をフィーチャーしつつ、非常に手の込んだ、アクロバティックな飛翔を堪能させてくれる短編。 濃いコーヒ…

「ニューサラダブック」(柴田書店)

ニューサラダブック―プロがつくるアイデアサラダ174作者: 柴田書店出版社/メーカー: 柴田書店発売日: 2006/05/01メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 48回この商品を含むブログ (10件) を見る下のほうのコメントで「はるかな響き」の料理描写を褒めていただ…

「電脳コイル (ロマンアルバム)」(徳間書店)

磯光雄監督とのQ&A、そのNo.10(99ページ)を読んで驚愕。 私が自分で考えた造語に「雌型の実在」というものがあります。 それがどのようなものか、ぜひ本書をご覧ください。 飛は「蜘蛛の王」(『ラギッド・ガール』295ページ)で「実存の雌型」というコト…

『兇天使』(野阿梓)

いよいよ書影が掲示されましたね。(ハヤカワ・オンライン)かっこいいなあ。 飛のオールタイムベストのひとつだと、ことあるごとに書いてきた日本SF史上の大傑作がいよいよ新装、復刊成りました。長年の念願のひとつであり、実はこんなところでおねだりな…

『Boy’s Surface (ハヤカワSFシリーズ―Jコレクション)』(円城塔)

まだよみかけ。(「Your Heads Only」の途中まで。) なぜピンクなんだろうと思いつつ読み進め、帯の「恋愛小説」で Σ ハッと気がついた。 バレンタイン狙い……。

『伯林星列(ベルリン・コンステラティオーン)』(野阿梓)ついに刊行!

いや待ってみるもんですね。出るときには、本は出るんだ。 やれうれしや。せーの、ポチ、と。 届くのが楽しみだな。 801成分満載だそうですから、女性のみなさまもぜひどうぞ。 まだAmazonに書影はないけれども、リンクは張っておこうっと。

『Boy's Surface』(円城塔)

書影が掲示されましたね。今度はこの色か。うわあ……。 昨秋、塩澤さんと打ち合わせしたとき、本の色について「ふつーに考えると青なんですけど、それではちょっと面白くなくて」という意味のことを言っておられましたが、それがこうなりましたか。 表題作は…

前日のつづき、

だからといって、もちろんこの〈解釈〉は『Self-Reference ENGINE』(以下『SRE』)のすべてを納得できるよう説明するものではないです。またエピソードの因果関係や前後関係の見取り図を作ることも考えていません。その前段階、そもそものところのお話し。 …

「よつばと! 7 (電撃コミックス)」「よつばと リボルテック」

連載は追っかけていないので、まとめて読めてうれしい。 しまうーは良いキャラクターですね。 あと「公園は牧場、楽しいか?」への返事とか。 基本線は変わらないのに毎回毎回こうまで面白いのは、すばらしい。 フィギュアとかは買わないのですが、これは別…

「遺跡の声」(堀晃)

ジャンル小説のいいところは、愛の強い読者と編集者を持っていることでしょう。身贔屓かも知れませんがSFは特にそんな傾向があるのではないかな。価値のある作品は強固に記憶され、出版社を変えて、いつか必ずカタログに甦ります。東京創元社は今年に入っ…

書影が掲示されましたね。(リンクさきはハヤカワ・オンライン)

たのしみたのしみ。 しかしジャンルが「恋愛/青春」というのはどうか。 あ、しかしやはり「青春」なのか。

Boy's Surface(Enjoe Toe)

SFマガジン9月号所載。いやこれは凄い。たぶん10分の1も理解していませんが。 さすが円城塔! 俺達に出来ないことを平然とやってのけるッ!そこにシビれる!あこがれるゥ! えっと、書き忘れていたので追記。 ほかの叙述は一定しないのに、レフラー球…

極楽デビュー作3連発

Self‐Reference ENGINE (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)作者: 円城塔出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2007/05/01メディア: 単行本購入: 11人 クリック: 362回この商品を含むブログ (260件) を見るSF書きの人たちが陸続と長篇でデビュー中。しかもめ…

「Self-Referece ENGINE」(円城塔)

Jコレクション五周年記念作。だとか。あと発売まで十日あまり。 ようやくハヤカワ・オンラインに書影が掲示されましたね。どんなんなるかなと楽しみにしていましたが、さしもの岩郷重力氏もあの作品の前には為すすべが無かったのであろうか(笑)。 飛も帯…

『星新一 一〇〇一話をつくった人』(最相葉月)

少しずつ読み進めて読了。特に最後の数章は期待をはるかに上回る出来栄え。職場の昼休みに読んでいたにもかかわらず涙を抑えることができませんでした。 日本SF界は(そんなものがあるのかどうか知りませんけど)深い感謝をもってこの本を迎えなければない…

「二人称現在」(ダリル・グレゴリィ)

〈SFマガジン〉2007年1月号に掲載された短篇。ちょっと押し入れを整理していて、なんだか読みたくなったので読んでみました。同誌掲載の海外短篇を読むのはずいぶん久しぶりな気が……だめじゃん。 意思決定の主体は意識ではない、という科学トピックをふた…

おおおおっ!

野阿梓氏のウェブサイトから ● 「伯林星列」中央公論新社刊行予定(2007年1月9日、1250枚にて脱稿! 刮目して待て(笑)!) おおっ! おおおおっ!

「エスカルコ゛・サイエンス 再生医療のしくみ (エスカルゴ・サイエンス)」(八代嘉美、中内啓光)

著者のおひとりである八代氏から、昨年ご恵贈いただいていた本。読み終えるのが遅くなりました。 氏とは昨年4月に「科学魔界」の対談をした後、食事のときに同席しました。そのときの日記でもちょっと触れていますが、あらためて目次をランダムにご紹介する…

『夜は短し歩けよ乙女』(森見登美彦)

読了。 黒髪の緋鯉の乙女カワユス。

「バルバラ異界(1)」(萩尾望都)

第27回日本SF大賞受賞作。 「蜜柑」を書き終えるのと入れ替わるように、きょう4冊がそろったので、ほくほく顔で夕食後に読みはじめ。 いま2巻目の真ん中あたりなんですが、 しかし、これは……ううーむ(絶句)。 凄い。(はー) もうこれだけで『ラギッド…

『アイの物語』(山本弘)

ゆうべようやく読了。今年を代表するSF小説だと思いました。もちろん長篇部門で。 後日もうすこし感想を書きたいと思います。 【以下追記】 ぎゃああっと叫んだのは、まず拙作「ラギッド・ガール」(03年)の情報的似姿の作成過程に似たアイディアが、「ミ…