近況

そういうわけで、とうとうtwitterにはまってしまったわけですが、年末にかけて関連出版がいろいろありましたので、お知らせしていなかったものも含めて、ここでまとめてご紹介いたします。(以下、便宜的に「飛の本」カテゴリにしていますがもちろん単著ではなく、飛はいち寄稿者(もしくは原作提供者)に過ぎません。誤解なきよう。

『NOVA 1---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫 お 20-1 書き下ろし日本SFコレクション)』(大森望責任編集)

NOVA 1---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫 お 20-1 書き下ろし日本SFコレクション)
飛の今年の最高傑作「自生の夢」が掲載されています。(今年はこれ以外には、完結した作品は発表していないので・・・^^;)たしか3月に依頼を受けて、書き上がったのは8月終わり。「零號琴」と並行ということもあって本当につかれました。
そのほかのラインナップは、以前ご紹介したとおり。この調子でがんがん刊行されていきますように。
連作でない、単発のSF短編をたっぷり読みたい方、帰省の往復の車中や機中、お正月の実家や自宅での待ったり時間を過ごすのににもってこいですよー。

「Sync Future」(SFマガジン編集部)

Sync Future
この本については、こちらもご覧ください。
日本SF作家の25作品をイラストレーター、アニメスタッフらがヴィジュアライズしたアートブック。当然値が張りますが、しかしこれは「完全オリジナルの画集」という贅沢品ですから、むしろ安いくらいでしょう。
ありがたいことに『グラン・ヴァカンス』を磯光雄氏が、そして『象られた力』を前嶋重機氏が手がけてくださっています。
磯氏によるジュール、ジュリー、ランゴーニのデザインは驚異的なすんばらしさであり、多層的な画面構成と合わせ、完璧な出来栄え。
前嶋氏は、ストーリーを絵にするのではなく百合洋の景観をパノラマ的に描出するという確信犯的コンセプトのもと、燦然たる光気に満ちた画面を現出させてくださいました。
作者としてはもう何もいうことはありません。ただただ感謝のみ。
他にもしびれるような絵が沢山ありますのでこういう方面に目のない方は、どこかで目にしていただければと思います。(ただし新刊はシュリンクフィルムで密封してあるはずなので、立ち読みはたぶんできません。)
なお上記リンク先からさらにパルコ・ミュージアムのウェブショップへ行くと、『グラン・ヴァカンス』のTシャツ、リトグラフが買えるようになっています。磯氏の絵はそこでちらっと見ることができますが、しかし実物はあんなものではないですよ。特に三婆とか!

「文学拡張マニュアル ゼロ年代を超えるためのブックガイド」(佐々木敦)

文学拡張マニュアル ゼロ年代を超えるためのブックガイド
スタジオボイス」誌に連載されていた文芸誌時評「絶対安全時評」をまとめた第一部、「インビテーション」誌のコラムをベースにし広義のエンタテインメントを対象とした第二部、「現代詩手帖」誌の時評などを集めた第三部からなる批評系の書物。
『ラギッド・ガール』刊行直後に行われた飛とのメール・インタビューが第二部に収録されているのですが、SF読みの方であれば、そのすぐ跡に掲載されている伊藤計劃インタビューを読み逃してはなりません。絶対に。
その他、第2部には当時の新着SFが数多く紹介されていますので一読の価値ありです。

「S-Fマガジン 2010年 02月号 [雑誌]」(SFマガジン編集部)

S-Fマガジン 2010年 02月号 [雑誌]
「零號琴」の連載がはじまっています。おっかしいなあ……。こんなことになるはずではなかったのだが。
ええと「ラギッド・ガール」以降、とんがり系の作品ばかり書いていてあたまが眼精疲労になってしまったので、本作はいろいろゆるい作りになっています。あんまり突っ込んだりしないように……。
第2回までは原稿が書けているので、とりあえずはご心配なく。