『ラギッド・ガール』その7

4月の終わりに早川書房へ行き、本書の打ち合わせをしました。事前に聞いていた編集者の要求は、書き下ろし作品を1篇追加すること。比較的軽いものを想定しておられたのではないかと思いましたが、飛が用意したのは「魔述師」と「多頭の島」のふたつの案。前者は〈大途絶〉の委細を明らかにする短めの中篇、後者は「空の園丁」の前提となるある事件=「○ン○ー○の○」を描く長めの中篇です。
いろいろ話し合って前者を書くことを決定。6月末までに、と言われ、それはとにかくご勘弁、ということで7月初旬を締め切りに設定。
で、初稿が書き上がったのは9月19日。(発売日が10月20日ですよ!)最終的に「魔述師」は200枚に迫る超大作になってしまいました。
いやもうたいへん申し訳ない遅れで、それだけでもたいへんな迷惑行為ですが、そのあと10日の間に残る4作の改稿、推敲を一気に片づけなければならないはめに。くわしくはお話しませんが、「魔述師」のバグ潰しも含めてさすがに音を上げたくなりましたけれども、過酷な作業スケジュールを眉ひとつ動かさず進めてくれた編集者のおかげで、なんとか乗り切れました。あの集中の持続にはあたまが下がります。(そのあと休むまもなく次なる大作に身を投じていかれました。)