1日(その2)「星新一とは何者だったのか」

新井素子氏と最相葉月氏とが星新一を語り、司会を森下一仁氏が行うパネル。
星新一 一〇〇一話をつくった人』を糸口に最相氏が星新一のさまざまなエピソードを、新井氏が想い出を語ります。最相氏は皇室記者のように落ち着いて折り目正しい語り口、新井氏はおなじみの話しぶりで好対照。
最相氏のお話し。とにかくまず星一(新一の父)があまりにも面白かった。前半部はあれでもだいぶ削った。星新一の残した作品メモ、非常に小さな紙にプロットが書き込まれている。一枚で完全に見わたせなければ、と星は考えていた。長篇でも一枚に収めている。などなど。
新井氏。星新一との初対面(いろいろ記憶が混乱)。『チグリスとユーフラテス』を星さんに読んで欲しかった、と言う話。自分や女性に対してはとても紳士で、星さんの伝説的言動は見ていない。小説の書き方は教わらなかった。などなど。
森下氏が意を決したように会場に向けて「星さんの作品が後期になるにつれ面白くなくなっていった(大意)と思う人、いますか?」と。一瞬、空気が静止。
ニュース。星新一の原稿や作品メモなど最相氏が整理しつつある資料類が、この秋新潮社の「とんぼの本」から刊行。
ニュース。新井氏が選んだ星新一の作品集が、やはりこの秋刊行。
これに関して新井氏のお話。作品集に入れる作品を選ぶため、一〇〇一編を端から読んだ。途中で、いままで書けなかったショートショートが書けるような気がした。ちょうどお話しがあったので書いてみたら「書けたんですよ!」
最相氏に質問したいことがあったのですが、質疑の時間はなく、断念。新井氏が星新一のお墓参りのお誘いをしておられました。(ホシヅルの日には、毎年作家クラブを中心に、お参りをしておられます。)