日本SF大賞について

昨日は東京へ出かけてきました。日本SF大賞の選考のため。
今年は、候補者でありかつ選考委員でもあるという、なかなか体験できない立場でした。
そもそも、選考委員への打診があったのは今年の春のこと。選考委員の自作が候補となった場合は選考には参加しないという規約だとうかがっていました。
そんなわけで『ラギッド・ガール』が候補になっても、「じゃあ今回は選考しなくてもいいのかな」と甘く考えていたところ、「いえいえ、選考会には出ていただき、ただ飛さんの作品が評定されているあいだだけは別室で控えていただきます」とのこと。
うひーと頭をかかえて参加した、といいたいところですが、今年に限ってはわりと悩まずにすみました。(なぜかはおわかりですね。)
あと、選考対象がほかの委員に比べてひとつ少ないわけで、そういう意味でも楽だったかも。
候補作について飛がどう考えたかは、いずれ選評が〈SFJapan〉誌に載りますのでそちらをご覧ください。
受賞作の『星新一 一〇〇一話をつくった人』は、飛もイチ押しでした。ここで予告しているとおり。
最相葉月さん、おめでとうございました。
さて、飛は遠方からの参加ということもあり、万一出席できない場合にそなえて、各作品に点数を割り振りコメントをまとめたペーパーを準備していましたが、ただひとつ『Self-Reference ENGINE』(円城塔)にだけコメントを書きあぐねて、このペーパーはお蔵入りに。くやしいので作者のブログに掲載されていたダイヤグラムをプリントし、東京行きの夜行列車の中で一所懸命読み込んで、ようやくなんだかこの作品についてひととおりまとまった解釈ができたので、安心して選考会に臨めたというお粗末でした。
この解釈については、(選評を書くまでに忘れてしまいそうなので)近々このブログにエントリします。