「NOVA 1---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫 お 20-1 書き下ろし日本SFコレクション)」

いよいよ発進しました。当面年2回刊行をもくろむらしいです。編集後記には「2」以降の執筆陣も予告されていて、おお!という感じ。
以下、収録作とその紹介文。
飛の「自生の夢」は、もちろん水見稜「野生の夢」へのトリビュートとしても読める一品。百枚もあります。
しかしこんなロートルの作品を、円城・伊藤の間にはさむなんて、なんて晒し物刑。

北野勇作「社員たち」
  得意先から帰ってきたら、会社が地中深くに沈んでいた
小林泰三「忘却の侵略」
  「冷静に観察すればわかることだ。姿なき侵略者の攻撃は始まっている」
藤田雅矢エンゼルフレンチ
  ひとり深宇宙に旅立ったあなたと、もっとミスドでおしゃべりしてたくて
山本弘「七歩跳んだ男」
  その男は死んでいた。初の月面殺人事件か? 本格SF的と学会的本格ミステリ開幕
田中啓文「ガラスの地球を救え!」
  ……なにもかも、みな懐かしい……SFを愛する者たちすべての魂に捧ぐ
田中哲弥「隣人」
  家庭を襲い胃を満たし脳に染み入るこの臭い……恐ろしい非常識が越してきた
斉藤直子「ゴルコンダ」
  先輩の奥さん、めちゃめちゃ美人さんだし、こんな状況なら憧れの花びら大回転ですよ
牧野修「黎明コンビニ血祭り実話SP」
  戦え! 対既知外生命体殲滅部隊ジューシーフルーツ!!
円城塔「Beaver Weaver」
  海狸(ビーバー)の紡ぎ出す無限の宇宙のあの過去と、いつかまた必ず出会う
飛浩隆「自生の夢」
  七十三人を死に追いやった稀代の殺人者が、かの怪物を滅ぼすために、いま、召還される。
伊藤計劃屍者の帝国
  わたしの名はジョン・H・ワトソン。軍医兼フランケンシュタイン技術者の卵だ。――圧巻の絶筆、特別収録