「SFが読みたい! 2005年」

SFが読みたい! 2005年
きょう、郵便受けに入っていました。
ベストSF2004の国内編で、飛の『isbn:4150307687』が一位になっています。
もっとびっくりしたのは「SFマガジン読者が選ぶベスト」でも同書が国内一位になっています。
うー、えー、あー、あああありがとうございます。(なにを言っていいか分からない)
いや、でも、海外編の一位と200ポイントくらい開いてますから、今年はやっぱり海外SFの年だったということでしょうか。来年もこの勢いが持続するのではないかと期待。
このあいだ『SFが読みたい!〈2003年版〉発表!ベストSF2002国内篇・海外篇』を読み返していたら「SF2002総括座談会」で鏡明氏がこう話しておられるのに気がつきました。(35ページ)

鏡 でも『地球礁』や『デイヴィー』みたいな古典は、いろんな版元が散発的に出してもパワーにならない。Jコレクションのように、もっと戦略的に出していかないと。

それがまさに2004年に具現した、ということでしょう。(古典だけではないですけどね。)
あと、189ページに注目しておきたい。
塩澤氏、今度はなにをしかけようとしているんでしょうか。

「日夏耿之介詩集 (現代詩文庫 第 2期11)」

もう何年前になるのか、日夏耿之介(ひなつこうのすけ)の全集復刊を買い逃した恨みがあって、なるべくこの人の本を入手するようにしていますが、もっとも重要であると思われる詩集を本気で探していませんでした。この怠慢。Amazonで楽々買えるのです。mixi日夏耿之介コミュで情報を入手。即オーダーでした。
ゴシック・ローマン文体といわれるこの人の美文(美文か?)は、まったく類をみないものです。飛はいくら読んでもマジで10分の1も理解できません(笑)。これからじっくり楽しみたいと思います。
SF読者には、かつて野阿梓氏が「少年サロメ」だったかで(記憶あいまい)、日夏訳のワイルド「サロメ」を引用されていたのを、もしかしたらご記憶でしょう。飛も、日夏の取っ付きとしてはこれがイチ押しです。
この訳(昭和13年の単行本は『院曲散羅米』と題されています)は講談社文芸文庫の『ポオ詩集 サロメ―現代日本の翻訳 (講談社文芸文庫)』がもっとも入手しやすいのでしょうが、品切れ状態だそうで、残念ながら図書館で探していただくほかありません。
アニメとかゲームとかの制作に携わっている人ででおどろおどろしい語彙が尽きてしまった(笑)という人は「サロメ」をネタ本として読んでください。そのときに、字面だけでなくて、ぜひぜひ音読を。あの豪奢な外見のしたに、どれほどゆたかな音の流れがあるか思い知るでしょう。きらびやかな衣装とうつくしき肉身。しかしそれさえも表層にすぎないのです。