ユリイカ 2002年7月号(特集*高野文子)

買いそびれていたのをきょう店頭で発見、確保しました。高野氏と大友克洋氏の対談が期待をはるかに上回る充実ぶりですが、飛はこんなちいさな箇所に反応したりして(笑)。

高野 (前略)モームは小説を読むと「よくぞ、これ以上ひどくしないで、ここまででとどまってくれた」と思うんですって。たいがい作家はどんどんつまらなくしてしまう、と。普通の読者は、ここを直せばもっといいのにと欲を言うものだけれど、そういうものではないよって言ってくれている。このモームって人はやさしい人だねえ(笑)。 

たしかにやさしい人だ……。そう、飛も「そういうものではないよ」っていっておきたい(笑)。
この世のありとあるあらゆる創作物は、作者の頭の(からだの)中にあったものの劣化バージョンです。創作者は死に物狂いになって奮闘はしますが、せいぜい劣化をちょっと押しとどめるくらい。
劣化まえのバージョンを(一瞬でも)かいま見たいですか? 実はとてもかんたんです。あなたが創作してみればいいだけ(やみつきになることうけあい)。

魚喃キリコ氏との対談や「奥村さんのお茄子」初出バージョンほか盛りだくさんの内容で1300円はお買い得でした(は〜満腹)。