SFマガジン583号

松江では、きょうようやく店頭に並びました。(やれやれ)
Jコレクション特集。
いま思えば本当に『グラン・ヴァカンス―廃園の天使〈1〉 (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)』はラッキーなタイミングで完成したものです。2001年の9月に初稿を送ったとき、早川書房ではちょうどこの「あたらしいSFの叢書」の企画が立ち上がろうとしていた時期だったのですから。1年早くても、遅くても、今みたいな感じにはならなかったのですよね。まだ大途絶してたりして。ははは。
今回SFマガジンで『グラン・ヴァカンス』評を担当してくださったのは、中俣暁生氏。失礼ながら、氏の文章をそうと意識して拝読するのは、はじめてです。また本作についてこれほどまとまった量の文章を読むのもはじめてでした。
「金盞花」のエピソードを書いたのは、本作の7割以上を書いたあとだったなあ……といまさらのように思いだしたりしました。てなわけで、ここで中俣氏が書かいておられることが〈廃園の天使〉のスタートライン(の、はんぶん)だ、といってもだいたいいいみたいです。ひじょうに違和感なく読めました。
ただ、ひとつだけ言わずもがなの念押しをしておくと『グラン・ヴァカンス』は(そして〈廃園の天使〉は)メタフィクションではありません*1
SFです。

*1:中俣氏も本作をメタフィクションだと言っておられるわけではないです。念のため。