「スター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐」

すごい! すばらしい! 見ごたえあり!(本気で言っています。)
……。
いや前二作があんまりアレだったんでそう思えるだけではありますけれど。
数カ月前にDVD「クローンの襲撃」のオーディオ・コメンタリを聴いていて、俳優たちの演技でさえも際限ない加工にさらされる素材でしかないことを思い知らされ、このシリーズの作者たちにはまったく共感できないことが判明していたのですが、そこから想像していたよりはまあ良かったです。これはもしかしたら映画かもしれないと思ったほど。すくなくともこの十年で最高に胸くそ悪いファンタジー映画「ラスト・サムライ」(しつこい)なんかよりは、作り手の欲望がナイーブな分、なんぼか気持ち良かったです。
ただまあここで語られるのは悲劇というよりは喜劇で、画面の中で異様に盛り上がっていても、こちらはやっぱり「クス」って感じですよね。作り手がこの「悲劇」にまじで没入しているのかそれともつるっとクールなのかはわかりませんが、いずれにしてもBGMに「タイガーマスク」や「魔法のマコちゃん」の終盤で使われたあのマゾヒスティックな盛り上げ音楽を進呈したいところ。本作のえげつなさにぴったりだと思います。
音楽といえば、エンドタイトルの最後んとこでティンパニが「でん、どん、でん、どん、で〜ん」と鳴るのが、シリーズの締めくくり、という気合いが感じられて微笑ましかったです。
あとショックだったこと。例の「海賊版追放キャンペーン」、松江の映画館でもかかっていました……。