お買い上げの顛末

巽氏との対談の翌朝向かったのは、「ダイナミックオーディオ5555」という高級オーディオの専門店。
携帯オーディオの爆発的普及がきっかけで、ヘッドホンが脚光を浴びているんですね。団塊リタイアめあてのオーディオブームともからんでいるようです。もう20年以上ヘッドホン一本やりの飛ですが、ここ1,2年で選択肢や情報が急激に増えているような気がします。スピーカーより圧倒的にコストパフォーマンスがいいしね。
ま、それはさておき若い店員さんをつかまえてこれまでの経過を説明し「ダイナミック型で、能率の高くないのをいくつか紹介してちょ」とお願い。高級プレーヤー(65万円くらい)と高級ヘッドホンアンプ(15万円くらい)を三十分以上独占してあれこれ聴いてみました。
GRADOやaudio-technicaSENNHEISERといった有名どころで、あまりお高くないものを中心にいくつか聴き比べ。GRADOは明るく薄い音調だったので今回はお引き取り願いましたが、意外と(失礼)素晴らしかったのがaudio-technicaのATH-AD2000。耳元のヴォーカルの体温がすばらしく迷いましたが売価6万円超えだったのと音調がややCD3000に近いところがあったので断念(機会があったらぜひおつきあいしたい相手)。SENNHEISERのHD-595に決めました。並行輸入取扱店で買うとぐんとお安くなるのはわかっていましたが、お店が混んでいるのに試聴機をながなが独占させてもらったお礼もこめて、そのまま購入。
テスト用に島から持参したCDは、聞きなれたヴォーカル二種と古楽器のアンサンブル、それとワーグナー管弦楽曲集。
ちなみにワーグナーテンシュテットベルリン・フィルのもの)はずいぶん前に買ったのはいいけれど、音にうまみが感じられず「いいなあ(うっとり)」と思ったためしがないCDでした。ところがこの間、iPod shuffleBOSEのヘッドホンで聴いたら、したたるような潤いのある音で聴けて感激。この盤をちゃんと聴かせてくれるものを選ぼう、と考えてかばんに入れてきたもの。
さて島根に帰ったあとiPodで音出ししてみたら、すごい音量。
え!? 低能率のはずなのにどうしてこんなに音量が出るの?
と不安になり、調べてみると……
このヘッドホンは「高能率」であることが判明しました! ぱんぱかぱーん。
足もとが、がらがらと崩れるような衝撃。
あの店員さんは(たしか研修中の名札をつけておられましたが)、インピーダンスと能率を取り違えていたようですね……。
さあCLASSIKにつないだときに、はたしてノイズが出るのでしょうか。刮目して待て。