「エスカルコ゛・サイエンス 再生医療のしくみ (エスカルゴ・サイエンス)」(八代嘉美、中内啓光)
著者のおひとりである八代氏から、昨年ご恵贈いただいていた本。読み終えるのが遅くなりました。
氏とは昨年4月に「科学魔界」の対談をした後、食事のときに同席しました。そのときの日記でもちょっと触れていますが、あらためて目次をランダムにご紹介すると
- 所有せざる臓器
- GATTACA(ガタカ)
- 神様のパズル
- ピノコどこの子
- あるいは細胞でいっぱいの海
- たった1つの冴えた細胞
- どこからなりとも組織に1つの幹細胞
- それは無慈悲なガンの女王
- 人体補完計画
- 眼閃の奇跡
- クリストファー・リーヴに花束を
……まあ、そういうわけですが(笑)、内容はいたってオーソドックスな一般向け科学解説書ものです。1トピックを見開きにまとめて、全7章約70トピックを巡っていくことで、再生医療の基本と現在を知ることができます。「再生医療」やら「ES細胞」やら、よく耳にしながらまともに調べたこともなかったのですが、なんとなく分かった気に。
細胞の分化誘導とかボディプランとか、今後の執筆に関係があるのでたいへん参考になりました。
ちなみに、さいごの2トピックのタイトルは、「未来のイヴ」と「幼年期の終わり」。再生医療の先に見えているヴィジョンが提示されていますが、SFもうかうかしていられないなあ、と思いました。