最近観た映画。
『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』(ゴア・ヴァービンスキー)と、『スパイダーマン3』(サム・ライミ)。どちらも三部作の(いちおう)最終話らしい。
前者はとにかくイメージの総力戦ともいうべき仕上がりで、お話ぜんたいのデザインの的確さ>シークェンス(その場面の中になにをどのように盛り込み、動かすか)の設計に盛り込まれた着想のゆたかさ>個別の画面の作り込み、のいずれも圧倒的に素晴らしい。堪能しました。「デイヴィー・ジョーンズの墓場」のシュールさや「両耳から出てくるキャプテン・ジャック・スパロウ」など、ふつうの大作映画では(観客がポカーンとするのを怖れて)採用をためらうようなアイディアも投入しているのがえらい。ちょっと油断するととっちらかる内容ですが、デッドマンズ・チェストを集約ポイントとすることで、散漫ないし空中分解になるところをぎりぎり持ちこたえさせました。
ところで上映前に新バージョンの「海賊版撲滅キャンペーン」をやっていて、まあ、それはいいのですが、映画が開幕するといきなり怖いおじさんが「……パイラシー……パイラシー……パイラシー(……は聴き取れなかった箇所)」と連呼、つぎつぎ人が吊るし首にされていって、なんの嫌がらせかと思いました。(冗談です)
『スパイダーマン3』は、前2作と較べると、うーん、いまいち冴えない気が。「主人公が人を赦すことを知る」というテーマを、わざわざ三つのお話に分岐してしまっており、どうもポイントがぼやけたかなあ、と感じました。
あとこれは飛の責任なのですが、トビー・マグワイヤが力を込めたときの表情を観ると、脳内から田中康夫前長野県知事のお顔が呼び出されてしまって、どうにも画面に集中できないのです。これは「2」の時から、そう。