執筆状況

ひきつづき呻吟中。あーうー。
参考図書として「ユーザーイリュージョン―意識という幻想」をいまごろ読んでいます。不勉強ゆえ、いままで存在さえ知らなかった本。
読んでびっくり! 制作中の作品の大ネタの一部として考えていたものがすでに書かれています。
参ったなあ、とは思いましたが、それ以上はくよくよしません。飛の信条のひとつは、
ネタかぶりは気にしない。
というものなので。(またひらきなおり)
とはいえ日本語版の刊行が2002年か。これを読んでいたら中篇「ラギッド・ガール」(2003年末)は影響を受けて空中分解していたでしょう。情報をインプットせず自力でアイディアをひねり出していくのが性には合っているのですが、かといってまったく入力なしというわけにも行かず……。
あっ、えっと、そういう愚痴を言うつもりはなくって、なにを言いたかったかというと、この本、とくに最初の三分の一ほどは円城塔Self-Reference ENGINE』のサブテキストとして有効だな、と思ったという話なのです。
飛もはずかしながら気がついていなかったのですが、「Self-Reference」って、あれなんですよね、クレタ人のパラドックス。本書の最後に出てくる例の*1モットーは、有名な自己言及パラドックスの変形であると。あのモットーが「真」であるとしても、ゲーデル不完全性定理でもわかるように「あの本」の内部ではそれを証明できない。逆に言うと、あれを「真」として成立させるために(あるいは「偽」であるとするために)――そう、本の外の「系」が要請される。
いやほんと、素敵な青春小説だとあらためて思ったことでありました。

*1:SF大賞の選評で飛も言及ました。