『兇天使』(野阿梓)


いよいよ書影が掲示されましたね。(ハヤカワ・オンライン)かっこいいなあ。
飛のオールタイムベストのひとつだと、ことあるごとに書いてきた日本SF史上の大傑作がいよいよ新装、復刊成りました。長年の念願のひとつであり、実はこんなところでおねだりなんかもしていたりして。
というわけで、帯の煽り文を書いておりますので、店頭で見かけられた方、手に取っていただければ幸いです。
解説者もやはり本作をオールタイムベストに挙げている人なのですが、この方も飛と同年代、というか生まれ年はひとつ違うけどたぶん同じ学年ですね。この世代のSF読みにとって、心の一冊にならざるを得ない作品だ、と今回再読して気がつきました。その理由は帯文でほのめかしていますが、分量が足りないので香りづけ程度にとどめるしかありませんでした。そうね、いつか、ここであらためて書くこともあるでしょう。

日本SF大賞

同じ日に授賞式の案内状と、選評のゲラ(「SFJapan」の今度の号に載ります)が届きました。
授賞式にはたぶん出られないなあ。受賞者にはぜひ感謝のことばをお伝えしたかったのですが、残念! 田舎住まいはこういうところで割を食いますね。
選評は、読み返してみて言いつくせていないところが多いです。
選考委員といっても、飛の場合本読みとしての力量なんてたかが知れているわけで、自分なりにその作品をどう読んだか、不満も含めて誠実に書きとめるしかありませんでした。作者は心外に思われたり激怒するかも(じぶんだったらそうなります)、と思いつつ、呻吟しながら、一所懸命書きました。ほかのだれより、作者の(とりわけ受賞者以外の)方々に読まれることを念頭に置きつつ。
……おお、そういえばすっかり忘れていましたが『ラギッド・ガール』も候補だったのであった! ほかの委員の選評を読むのが、たのしみ、たのしみ。