歌劇《オテロ》(ヴェルディ)

ドイツ語による演唱のCD。ハイライトです。録音の存在はかなり以前から知っていましたが、これは二年前に国内で発売されたもの。1967年6月録音。配役などは次のとおり。

ちょっと怖いもの見たさ(笑)だったのですが(失礼な話ですね)、ドイツ語だからといってワーグナーのように聞こえるわけもなし。ヴィントガッセンだけはイタリア声というわけにはいかず、時おり違和感を感じましたが、あとは久しぶりにヴェルディの剛毅としかいいようのない音楽を満喫。
いまはクラシックのレコード業界が力を失っていて、もう十何年も新録音のオペラはライブ収録だけといった状態が続いていますが、これはホールでの録音。飛は「ライブでなくては!」という意見には与しないです。パッケージメディアとして何度も聴くには、スタジオ録音がやっぱりすみずみまで音楽を味わえると思います。バイエルンのオーケストラもすばらしい仕事ぶり。40年近くまえの録音ですが、後期ヴェルディの複雑華麗なオーケストレーションが、しっかりとした手ざわり感のある音で堪能できます。ラッパもばりばりばりーん、と鳴って痛快このうえなし。しかし、いかんせん《オテロ》をハイライトで聴くのは、欲求不満が残りすぎでした。
ユニバーサル・ミュージック UCCG-3365 ¥1,500+税