「スパイダーマン 2 デラックス・コレクターズ・エディション [DVD]」

 スパイダーマン 2 デラックス・コレクターズ・エディション [DVD]
『象られた力』のゲラ読み前のわずかな隙をついて観に行ったっけねえ(述懐)。
 映画のアクションシーンというのはなかなか難しいものだと思いますし、だからこそ監督や脚本家は知恵を絞り腕によりをかけるわけで。
 本作ではスパイダーマンとドック・オクとの最初の喧嘩シーン(銀行での戦い)が結構好きなので、早速観なおしました。実にいろんな手を使ってお客をおもてなししていることがわかります。

  • 個々のイベントの多くは垂直方向(上下)と水平方向に発生しており、それをタイミング良くとりまぜながら、次第に垂直方向に高まっていくというのが全体の枠組み。全アクションが収斂していく核(キーアイテム)はメイおばさん。
  • その上で、ドックとスパイディの得意技(というかキャラクター)のプレゼンが上手に行われている。ドックオクに関して言うと、
    • グリーンゴブリンのようなエキセントリックさではなく、パワフリャさが持ちあじだということ。
    • 「つかみ」「投げ」「ふりまわし」が基本動作であるということ。
    • アームによる移動、とくに「壁面のぼり」がビジュアルのキモであること。
  • 場面設定は上記の要請をみたすため、適切に設定されている。
    • グリーンゴブリンのときはカラフルなバルーン(屋外にするのはGGが飛行移動を持ち味にしていることから必然)が使われていたが、今回はコンサバなインテリア(銀行)でイベントが始まる。
    • 石造りの壁面が選ばれたことによって、アームの食い込みで破壊される石のビジュアル、低音が小気味よいサウンド、その上をぐねぐねと這いのぼるドックオクの動きがからみあい、お客にもたらす身体的快楽(あんなふうに動けたら痛快だよなという感覚)が最高に引き出されている。この動きのキャラクターはスパイディのポップで敏捷かつ飛翔感覚にあふれた動きとじつにあざやかな対照をうみだす。

 このシーンが最初の小競り合いであって、ここでそれぞれのキャラクターが明示されることで、クライマックスが準備されるわけです。

 グリーンゴブリンのときは橋、今回は電車がクライマックスの舞台に選ばれたことで、敵役のキャラクターがどう引き立ッているかを考えるのも面白い。勉強になります。(小説のアクションシーンには、また別のものが要求されますが。)

 飛がこの映画でいちばん好きなのは、ピーターのアパートの窓枠の白ペンキの剥げぐあい。気合い入ってますね!