シラウオ

宍道湖を擁する松江市はかつてシラウオを日常食(庶民のおかず)としていた町。
とはいえ最近は高級化していてそんなには食べません。スーパーに並んでいたものを奥さんの人が買ってきました。ものの味が分からない飛ですので天ぷらにしてもらい、塩を振ってぱくぱく。淡味淡味。
シラウオでいつも思いだすのは荒木英之『松江食べ物語』(入手はできないと思いますが気休めにISBNを貼っておきます。isbn:4879030384)。氏は代々食品、珍味の製造に携わる家に生まれ、若き日に京阪地方の食べ物老舗を歴訪修行ののち、地元新聞の記者として土地の名士と交流、その後松江市に食品会社を設立されました。
前掲書には荒木氏の先祖が江戸時代に、生のシラウオを江戸の将軍家や上方の宮家、九州の鍋島家にはるばる送らせたという秘伝があきらかにされています。じっさい1930年頃これを再現し(魯山人徳川夢声に届けたらしい)、当時鉄道便で三〜九日かかって遅らせ、結果良好だったとのこと。
江戸時代ですから冷蔵技術はありません。寒中とはいえ、あれだけデリケートなものを遅らせるのですから、保冷はもちろん、雑菌の繁殖を押さえ、運送の衝撃を吸収できなければならない。
さて、どうやったと思いますか? ヒノキの箱に収めたほかは、梱包に食品しか使っていないのですよ。(雪とか氷は詰めていません。)