「あなただけ今晩は [DVD]」

あなただけ今晩は [DVD]
帰りの船ではこれを視聴。古い映画は音が聴きやすい*1
いやもう、物書きでいるのがいやになるほどの、気も遠くなるほどの完成度。
ああ完璧だ、完璧だとうなされながら見ていると、最後の最後で「完璧」さえも突き抜けてしまう一撃をお見舞いされるのであった。
神懸かりな脚本、演出。シャンパーニュの泡がはじけるようなアンドレ・プレヴィンのスコアもお聴きのがしなく。
これはいわゆるロマコメなのでしょうが、さいきんの映画が過剰に盛り込んでくるグラビア的快楽なんかないんですよね。けっこう男っぽい作りなのであった。
飛の気に入っているのは、地下へ吸い込まれる「X卿」の傘の柄が、くるっと90度回るところ(ためいき)。

*1:ダイナミック・レンジがせまいためでしょうか。それとも別な理由があるのかな?