「バットマン・ビギンズ」

バッグを東京駅の改札内コインロッカーに放り込んで身軽になると、そのまま有楽町駅に引き返し、ビックカメラでShuffleのドックを購入。マリオンを通り抜けたとき、松江で見損なっていた『バットマン・ビギンズ』がちょうどいい案配の上映時間であることを発見。
ソニープラザで娘の、鳩居堂で奥さんの、和菓子屋さんで入院中の身内のためのお土産を購入し(典型的お上りさん)、ハゲ天で安い天丼をかっ込んで映画館に飛び込みました。東京で映画をみるなんで「スワロウテイル」以来では?
映画は上々の出来で、もちろんティム・バートン版の方がアート的には上なんですけれども(本作もバートン版のビジュアルからはやっぱり脱却できないでいます)、エンタテインメントとして観客の蓋をこじあける力は勝るとも劣らないものが。評価の高いのも深くうなずけます。(でも「リアル路線」というのは違うと思うよ? どこがリアルなの?)
バットモービルも結構。バットケイヴもよろしい。マイケル・ケインも良。ゲイリー・オールドマンもマル。スケアクロウのお兄さんもヘンさ炸裂でよかったです。クライマックスの派手なカタストロフは、このご時世ではちょっと没入を妨げられてしまいましたが、いろんな意味で「しかたがない」でしょう。渡辺謙は、なるほどそういう使いかたですか。ついこのあいだWOWOWの録画でこの10年の最高に胸くそ悪いファンタジー映画*1ラスト・サムライ」をみたばかりでしたが、あんまり違わないような気も。
ところで映画の前に「海賊版追放キャンペーン」のフッテージを上映していました。東京のひとは映画館に行くたびにあれを見せられるわけですか? いやはや。*2絵も言葉も音楽も、最高にステロな断片をより抜きしてあって、クライアントのおじさんたちを満足させることのみに注力していることが歴然。んだからきっとたぶんおそらく観客に二重思考を奨励しているんでしょう。というかギャグではないの? 

*1:あの「カツモト庄」!

*2:その後、各所で悪評ふんぷんであることが判明。