「チャーリーとチョコレート工場 [DVD]」(ティム・バートン)
いまごろようやくDVDで初見。
13インチのMacBookで観るのが惜しいような、幸せな画面。いたぶられっ子の見返し願望を充足させる展開、悪夢的な増殖と発展の感覚、うずまきを徹底したビジュアルを堪能しました。
『ビッグ・フィッシュ』のごとき自己治療系と見せかけておいて、それすらも茶化してしまう(寝椅子+精神科医)*1ところに、なんというか真の余裕が感じられます。若々しい反逆と混乱、渾身の気魄はないけれど、練達のピアニストが肘から先でかるがると弾いているように見せてしかも心憎い音楽を生み出すような、そんな境地にこの監督はいるのでしょうね。
シュガースノーのラストシーン。その虚構性もふくめてじーんとしつつも、しかしウォンカ氏が「上と外」には出ていないことに気づきます。
だれかこの監督を成熟から救い出すべきかも、と無責任に思ったりもしました。
*1:親子の和解シーンは『ラバー・ハンズ』と名づけたいところ。