視界不良

ほんと、あとさき考えずに書きはじめるから苦労するんだよね。時間もかかるし。
いまんとこ飛の自己ベスト、というかいちばん遠くまでかっ飛ばせた作品は「ラギッド・ガール」(SFマガジン2004年2月号)だと思っていますが、これもほんとに何も考えずにとりかかったので。
阿形渓の設定だけはだいたい頭にあったけど、これも未定事項がたくさんあった。なにせ初稿を半分以上進めた段階でようやく「ラギッド・ガール」がどんなものかを決めたくらいですからね。3か月がかりで進めて、最後の一行を書いたときは自分でも驚愕しましたよ(笑)。(最終版とはだいぶ違います。)これはこんな話だったのか、と。もともとこの作品は阿形渓をフィーチャーしつつ『グラン・ヴァカンス』の設定資料として読めるよう着手したんですが、最終的に掘り出したものはぜんぜん違うものでした。この作品における「モンスター」は阿形渓ではなかった。それに気づくための3か月間だったのか……、という感じ。
だから初稿はとにかくむちゃくちゃなものでしたね。塩澤編集長に見せた返事が

とりあえず、解説をお願いできますか(笑)。

でしたから。この書き直しに12月までかかったという……。

自分でも、はたから見ていてうんざりするんですが、この書き方を変えることはできないでしょう。
ただ、「ラギッド・ガール」を書いたことで「廃園の天使」を完結させるための材料が9割方出揃いました。