「10日間で男を上手にフル方法 スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]」(リンクはDVD)

10日間で男を上手にフル方法 スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]
WOWOWの録画を、携帯DVDプレイヤ&ノイズキャンセリングヘッドホンを使って、船上で視聴。
「恋愛の障害」というもの(難病とか身分の差とか)がないと恋愛映画は成り立ちません。きょうび、なかなか「障害」を設定するのはむずかしいのですが、この映画はその設定がすごくよく考えてあると思いました。(映画を見ているあいだは「ふーん」と思う程度ですけどね。男女二人のつく嘘が、それぞれのキャリアアップのために必要なタスク(上司から課せられたもの)であったりするあたり、想定される観客層へのフックになっているんでしょう。そういう意味で、さりげなく巧みです。)
飛のおめあては主演のケイト・ハドソン。「あの頃ペニー・レインと」でも表情の豊かさが印象的で、うーん、天才的演技力とか言うんじゃなくて、素性のよさ、みたいなものを感じます。なので中盤のドタバタはわりと盛り上がりません。
お気軽に見るためのロマコメで、こういう映画の場合、登場人物像にしてもプロットにしても意図的にステレオタイプに設定されているので、演者の解釈とか高度な技術とかはかえって邪魔でしょう。ちょっとわかりにくい言い方かもしれませんが、演者は「その役に上手に着られる」ことが必要なのではないかと思っています。いつもおなじみで安心できるあの「人」があたらしい俳優をきれいに着こなして登場し、そして観客はそのドレス(俳優)の仕立てのよさだったり奇抜さだったりジュエリーのきらめきだったリを楽しむわけです。
というわけで、飛は基本的にハドソンスキーなので、彼女が着こなされている様子を楽しめました。要所要所をていねいにおさえた脚本と演出もよいです。