31日(その4)

企画打ち合わせのため15時にグリーンルームに戻ると、井口健二氏や北原尚彦氏らに混じって、野尻抱介氏が「いや〜、どうも今回はすみません(にこにこ)」と。そう、この時点では星雲賞の結果を我々ふたりは知っていたのです。
ムキー!とか思ったりはもちろんなくて、この機会だから書いておきますが、飛は「大風呂敷と蜘蛛の糸」の大ファンなんですよね。ことあるごとにいろんな人にそう言ってきました。いやほんと、あれは素直に素晴らしい。しかし野尻氏と会うのはJコレシンポジウム以来だからもう五年になるのかな。
で、まあ海外SF人の体型などについて感想や、住みたくない世界はどこか*1などを述べあったりしているうちに、背後から声をかけられると、それが「ニューウェーヴ/スペキュラティヴ・フィクション」パネルの出演者たちでした。
山野浩一氏、荒巻義雄氏、そしてニューウェーブの同時代人であるグラニア・デイヴィスさん(アヴラム・デイヴィッドソンの妻であった方)、司会の増田まもる氏、スタッフの尾山ノルマ氏。
荒巻氏からは私家版のとてもきれいなブックレット「ゴシック」を戴きました。表紙をひらくと351部中の163部であることが分かります。ちらりと覗き読むに、氏独自の美的強度の高い小品が収められているようす。上品な函におさめられ、全体としてまるで版画のポートフォリオのような印象。まさに荒巻的世界。わお。
そして内心びびりつつお会いした山野氏は、闊達なしゃべりとエネルギー。切れ味鋭そう。テーブルの上に、氏の家から発掘された「NW−SF」のバックナンバーや『レヴォリューション』などが積み上げられています。グラニアさんと往時の話をいろいろとされていました。
そしてグラニア・デイヴィスさん。はずかしながら今回まで、グラニアさんの人となりをあまり存じ上げなかったのですが、なんというか素晴らしく温かみのある、ヒューモラスなニュアンスがまわりに立ち昇っていて、すっかりファンになりました(はあと)。離婚後も、デイヴィッドソンの人と作品を支えてこられた方であります。『どんがらかん』持ってくれば良かった。
川又千秋氏が駆けつけてこられ、グラニアさんの夫君も含め、全員で会場へ移動しようとした、まさにそのとき。グリーンルームに入って来たのは、誰あろう、デイヴィッド武林その人であった!
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しかし、まだ初日の出来事を半分も書いていないのですが、いいかげんへとへとです。まだ、読みたければ書きますが……?

*1:上位は筒井作品が独占